優秀賞
風景が寄り添う家
木下 領
フリー
共同制作者/輪湖 大元
この家は環境から身を守るといったような、原初的な住宅の堅固さと、軒下、庭、縁側、窓といったような周辺環境によって機能が移行しうるような、華奢さをもった家である。 住宅における華奢さとは、外部環境を最大限に享受することができ、様々な変化を許容するものである。その華奢な軒下、縁側、窓といった要素に内と外でスケールの異なった厚みを持たせる。これにより華奢な要素が空間のように振る舞い、空間の厚みが環境を緩やかに横断し、生活が外から内、内から外へと移行していく。華奢な空間が創りうる、おおらかさは様々な環境と距離感を保ちながらも共存しあうことで、この家を風景の一部へと昇華させる。そのおおらかさは、季節、天候、風、時間の変化を受け入れながら、食事をする、談笑する、読書をする、昼寝をするといった生活の変化を受け入れる。 ささやかではあるが、そんな全てを受け入れることができる家である。
(平成20年度)第15回ユニオン造形デザイン賞
テーマ:「小さな木の家」
審査員:深澤 直人氏 審査講評
賞 | 受賞者氏名/所属機関 | 作品名 | 共同制作者 | 賞金 (単位:千円) | |
大賞 | 村井 勇介 千葉大学 大学院 建築学 | ちいさな木のイエのおおきなアツマリ | 作品 | 1,000 | |
優秀賞 | 菊本 貴暁 慶應義塾大学 大学院理工学研究科 開放環境科学 | 曲がり木のかくれが | 作品 | 300 | |
優秀賞 | 木下 領 フリー | 風景が寄り添う家 | 作品 | 共同制作者/ 輪湖 大元 (日本大学大学院理工学研究科建築学専攻) | 300 |
入選 | 石田 拓己 東京大学 大学院新領域創成科学研究科社会文化環境学 | 小さくて素敵な家物語 | 作品 | 共同制作者/ 伊藤 友隆 (東京大学大学院 新領域創成科学研究科 社会文化環境学専攻) | 150 |
入選 | 日野 晃太朗 広島大学 大学院 工学研究科社会環境システム | うえきばちハウス | 作品 | 共同制作者/ 渡邊 晴香 (広島大学大学院 工学研究科 社会環境システム専攻) | 150 |
入選 | 木村 友彦 明治大学 理工学研究科 建築学 | 小さな家の大きな木の屋根 | 作品 | 共同制作者/ 亀田 康全 (明治大学 理工学部建築学科) | 150 |
合計6件 | 総額 2,050 |