優秀賞
大地の庇の家
三代 圭祐
広島大学 大学院 工学研究科 杉本研究室 社会環境システム専攻
共同制作者/古田 真史
住宅を設計するに当たって3つの透明性を定義する。1つ目は物理的な透明性を持つ「ガラスの透明性」である。2つ目は家具の存在をできるだけ消し、住宅と人間の動きというシンプルな関係をガラス越しの風景としてつくり出す「家具の透明性」である。3つ目は植物を植えることによって住宅と周囲の関係をやわらかなものとしていく「植物の透明性」である。これら3つの透明性を持つ家はガラスの庇と外壁を持ち、周辺にある地面の延長として廊下と机の役割を担った外部からの大地の庇を備え、半地下部分に家具をすべて収納させる『透明な家』となった。この家に住む人は、まるで屋根だけが浮いた地面の上やくぼみの上で生活しているような気分になれる。この『透明な家』が集まることによって、建物や家具に遮られることのない人間と人間の関係が生まれ、それぞれの家のガラスの庇と外壁によってつくられる緑の溢れた透明な路地空間ができるのかもしれない。
(平成21年度)第16回ユニオン造形デザイン賞
テーマ:「透明な家」
審査員:安藤 忠雄氏 審査講評
賞 | 受賞者氏名/所属機関 | 作品名 | 共同制作者 | 賞金 (単位:千円) | |
大賞 | 小野 志門 日本大学 大学院 理工学研究科 建築学 | 透明に残る家 | 作品 | 600 | |
優秀賞 | 田中 和沙 東京電機大学 大学院山本圭介空間デザイン研究室 建築学 | 角の家 | 作品 | 400 | |
優秀賞 | 三代 圭祐 広島大学 大学院 工学研究科杉本研究室 社会環境システム専攻 | 大地の庇の家 | 作品 | 共同制作者/ 古田 真史 (広島大学大学院工学研究科社会環境システム専攻) | 400 |
優秀賞 | 長島 薫 広島大学 大学院社会環境システム専攻 建築設計学 | マジックミラーハウス | 作品 | 400 | |
入選 | 美濃島 健人 武蔵野美術大学 建築学科 | うつろう家 | 作品 | 100 | |
入選 | 羽村 祐毅 京都大学 建築学科 | 9つの森の住処 | 作品 | 共同制作者/ 木下 一穂 (京都大学大学院建築学専攻) | 100 |
合計6件 | 総額 2,000 |