1等賞
絵本のある休憩所
土田 知佳
フリーランス
二重空気膜構造でできたこの空間は、真っ白な光に溢れ、見上げれば空だけが見える。床にはポワンポワンと空気が満たされ、気持ちの良い芝と折り合っている。昼寝、ひなたぼっこ、人は街の休憩所としてここを訪れる。ここには絵本が置かれ、それを手に休むことができる。図書館にあるこども図書スペースは、こどものための空間として設えられており、どうも大人が1 人でリラックスできる空間ではない。絵本はいまや、こどものためだけでなく、大人も楽しめる本である。こどもの頃から大切にしている絵本を持っている人もいれば、大人になってから絵本を集め出した人もいる。絵本は心が疲れてしまった大人に安らぎを与え、忘れていた何かを思い出させてくれる。二重膜内部を絵本の蔵書スペースとし、自作のオリジナル作品を蔵書に加えることもできる。また、断面はビル群の中にあっても、空以外が見えない高さに決定する。
ここは、都会の喧騒の中における癒し空間だ。
(平成22年度)第17回ユニオン造形デザイン賞
テーマ:「未来のパブリックスペース」
審査員:西沢 立衛氏 審査講評
賞 | 受賞者氏名/所属機関 | 作品名 | 共同制作者 | 賞金 (単位:千円) | |
1等賞 | 土田 知佳 フリーランス | 絵本のある休憩所 | 作品 | 1,000 | |
2等賞 | 福原 光太 横浜国立大学 大学院 工学府社会空間システム学専攻建築学コース | 都市の痕跡 | 作品 | 200 | |
2等賞 | 上田 寛之 広島工業大学 大学院 工学系研究科環境学専攻 | 境の無い世界に | 作品 | 共同制作者/ 濵本 拓幸 (広島工業大学大学院 工学系研究科 環境学専攻) | 200 |
2等賞 | 河野 泰造 首都大学 東京大学院都市環境科学研究科 建築学域 | 小さな建築をつなげて 大きなかたちをつくる | 作品 | 共同制作者/ 佐藤 敦 (明治大学大学院理工学研究科建築学専攻) | 200 |
3等賞 | 古賀 夏実 横浜国立大学 工学部 建設学科 | 水の庭 | 作品 | 共同制作者/ 速水 将平 (横浜国立大学工学部建設学科) | 100 |
3等賞 | 柏木 俊弥 大阪大学 大学院 地球総合工学専攻 | ゆうびんこれくしょん | 作品 | 共同制作者/ 岡﨑 沙織 (大阪大学 地球総合工学科建築工学専攻) | 100 |
4等賞 | 高橋 玄 東京大学 大学院 新領域創成科学研究科 建築意匠 | 移動する森 | 作品 | 共同制作者/ 高野 菜美 (東京大学大学院 新領域創成科学研究科) | 50 |
4等賞 | 田中 匠 株式会社竹中工務店 建築設計 | 一枚のパブリックスペース | 作品 | 共同制作者/ 大橋 祐介 (株式会社竹中工務店 建築設計) 伊藤 潤 (株式会社竹中工務店 建築設計) | 50 |
4等賞 | 小沢 翔太 工学院大学 大学院 建築学専攻 | Sink Line | 作品 | 共同制作者/ 津田 鷹一 (工学院大学大学院建築学専攻) 坂間 慶介 (工学院大学大学院建築学専攻) | 50 |
4等賞 | 山本 直 九州大学 人間環境学府 空間システム専攻 末廣研究室 | 暗くて、おおきな パブリックスペース | 作品 | 50 | |
合計10件 | 総額 2,000 |