優秀賞
貝殻の島
牡蠣の廃殻を利用した人工島の計画
岩倉 巧
フリーランス
瀬戸内海は豊かな漁場に恵まれた牡蠣の産地です。中でも広島県呉市内で廃棄する牡蠣殻は年間二万トンを超えると言われ る。この大量に発生する牡蠣殻を小さくクラッシュし海に撒く事で大小さまざまな形をした人工島をつくり、豊かな漁場と人々 の生活や観光産業などを結びつける新たなパブリックスペースを計画する。貝殻でできた島は波によって少しずつ削り取られ 島の形を徐々に小さくする。砕かれた殻の粒子は海水を浄化し、次のシーズンに備えたミネラル豊富な海水をつくる自然の肥 料となる。島は牡蠣の養殖のサイクルに呼応するように一年を通して使われ方も変わる。収穫期にはレストランや牡蠣剥き体験 といった観光客も楽しめる賑やかな雰囲気をつくり、シーズンオフの育成期には瀬戸内海、本来の穏やかさを取り戻し、漁師の 仕事の合間に利用される休憩所となる。島は人々の暮らしと牡蠣の養殖に寄り添いながら形を変え、我々を優しく迎え入れる。
(平成24年度)第19回ユニオン造形デザイン賞
テーマ:「新しい風景」
審査員:妹島 和世氏 審査講評
賞 | 受賞者氏名/所属機関 | 作品名 | 共同制作者 | 賞金 (単位:千円) | |
優秀賞 | 岩倉 巧 フリーランス | 貝殻の島 牡蠣の廃殻を利用した人工島の計画 | 作品 | 500 | |
優秀賞 | 大峯 竣平 金沢美術工芸大学 デザイン専攻 | 生活域を拡げること、重ねること | 作品 | 500 | |
佳作 | 後藤 祐作 横浜国立大学 大学院 都市イノベーション学府 建築都市文化専攻 Y-GSA | 稲作プロムナード | 作品 | 100 | |
佳作 | 石塚 直登 横浜国立大学 大学院 都市イノベーション学府 建築都市文化専攻 建築都市デザインコース(Y-GSA)建築意匠設計専攻 | 擁壁のつながるまち | 作品 | 100 | |
佳作 | 山嵜 健志 横浜国立大学 大学院 Y-GSA | 海に囲まれたまちと大きな中庭 | 作品 | 100 | |
佳作 | 泉 竜斗 佐賀大学 大学院 都市工学専攻 | 風景の窓 Window of scenery | 作品 | 100 | |
佳作 | 佐藤 大基 横浜国立大学 大学院 社会空間システム学専攻 | 雨のつなぐ街 | 作品 | 100 | |
佳作 | 藤澤 菜月 千葉大学 大学院 工学研究科 建築・都市科学専攻 | 広がりゆく暮らし | 作品 | 共同制作者/ 吉田 紘明 (フリーランス) | 100 |
佳作 | 髙城 聡嗣 九州大学 大学院 芸術工学府 芸術工学専攻 | 魔女たちの料理人 | 作品 | 100 | |
佳作 | 片山 豪 筑波大学 大学院 芸術専攻 建築デザイン領域 | 浮遊景 | 作品 | 100 | |
佳作 | 山内 翔太 神戸大学 大学院 工学研究科 建築学専攻 | 丘屋根の小学校 | 作品 | 100 | |
合計11件 | 総額 1,900 |