奨励賞
巨大建築は擬態し都市へと溶け込む。
林 晃平
首都大学 東京大学院 都市環境科学研究科 建築学域 建築設計、計画専攻
京都の中心市街地にある京都大丸は周辺の街並に不釣り合いな巨大な建物である。都市スケールでふるまう巨大建築は周辺とかかわりのない独立した個体ではなく都市に溶け込んだあるいは建築と都市の中間項であるべきと考えます。周囲と接続し街と一体となった建築を考えます。そのために都市構造を取り込んだ設計手法をとります。今回は格子状に広がる通りを京都の都市構造の特徴と定義し約百三十メートル四方の一街区を東西方向に三つ南北方向に七つに分ける。平安創設期にとられた四行八門制と大中小の通りのスケールを頼りに十本のリニアな建築を格子状に組みます。通りに擬態したそれぞれの建築は異なるプログラムを与えその交点ではそれぞれのプログラムが溶け合うような効果をねらっています。箱で閉じるのではなく都市構造を取り入れ街とつながることで不釣り合いな巨大建築は都市に溶けていきます。
(平成25年度)第20回ユニオン造形デザイン賞
テーマ:「溶ける建築」
審査員:藤本 壮介氏 審査講評
賞 | 受賞者氏名/所属機関 | 作品名 | 共同制作者 | 賞金 (単位:千円) | |
大賞 | 中川 洋輔 立命館大学大学院 理工学研究科 環境都市専攻 | Activity Palette ~坂のある街の架け橋~ | 作品 | 共同制作者/ 清水 嵩之 (京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科 造形科学域 建築設計学専攻) | 1,000 |
奨励賞 | 黒川 麻衣 法政大学大学院 デザイン工学研究科 建築学専攻 | 境界線の建築 | 作品 | 300 | |
奨励賞 | 林 晃平 首都大学東京大学院 都市環境科学研究科 建築学域 建築設計、計画専攻 | 巨大建築は擬態し都市へと溶け込む。 | 作品 | 300 | |
奨励賞 | 山内 翔太 神戸大学大学院工学研究科 建築学専攻 遠藤研究室修土2回 | 孔の向こうの物語 | 作品 | 300 | |
奨励賞 | 郭 寧 大阪大学 工学部 地球総合工学科 建築工学コース | 溶けない記憶、溶ける時間 | 作品 | 共同制作者/ 今井 琢也 (大阪大学 工学部 地球総合工学科) | 300 |
佳作 | 西 智哉 大阪大学大学院工学研究科 建築専攻 | 力イタイユウゴウ | 作品 | 図書カード | |
佳作 | 三木 真平 STUDIO 2A | 等高線と歪み | 作品 | 図書カード | |
佳作 | 山口 涼 東京造形大学 造形学部 デザイン学科 室内建築専攻領域 | 煙突と霧と地平線と | 作品 | 図書カード | |
佳作 | 朱 一君 千葉大学大学院 庭園デザイン専攻 | 消えた故郷 Disappeared Hometown – Ruins reborn with Plants | 作品 | 図書カード | |
佳作 | 小野 晃次郎 工学院大学 工学部 建築学科 | 道草の家 | 作品 | 図書カード | |
合計10件 | 総額 2,200 |