準優秀賞
廃屋緑化
猪邉 将志
藤田社寺株式会社
一度提出を諦めた僕に一本の電話がかかってきました。家から一時間ほどの山の手前にある集落の民家です。奥様亡き後七年間放置された豪邸。一部は解体され、そこで時間がとまっていました。車をおりて階段を上る。僕の目にうつったそれは、この一か月間考え抜いたどんなものよりも緑化しているように見えました。廃屋とは何か違うし、ツリーハウスでもない。なにせ、半年前に僕が建具をほとんど解体したものだから、いろんな動物やら植物やらが入り乱れている。これが緑化なのかなんなのか、今ひとつわかりません。断面をかくと、何の変哲もない古民家でした。でも廃屋でもない、きれいなツリーハウスでもない。車でいうなら1949年製のインパラのような泥臭さの中にある美しさをうまく表現したくて、でも仕切れなくて、仕方がないから書きなぐりました。これが緑化なのかなんなのか、どう見られるのかに期待しながら提出します。ありがとうございました。
(平成26年度)第21回ユニオン造形デザイン賞
テーマ:「建築緑化」
審査員:藤森 照信氏 審査講評
賞 | 受賞者氏名/所属機関 | 作品名 | 共同制作者 | 賞金 (単位:千円) | |
最優秀賞 | 林 拓真 東京理科大学大学院 理工学研究科 建築学専攻 | 建築に植物を生けるように | 作品 | 共同制作者/ 花摘 知祐 (東京理科大学大学院 理工学研究科建築学専攻) 村松 佑樹 (東京理科大学大学院 理工学研究科建築学専攻) | 500 |
優秀賞 | 田山 勇輔 近畿大学 産業理工学部 建築・デザイン学科 デザイン専攻 | 木の建築 | 作品 | 400 | |
優秀賞 | 堀次 宏暢 福井大学 工学部 建築建設工学科 建築学専攻 | 屋根の根 -Roof of Roots- | 作品 | 400 | |
準優秀賞 | 平川 慧亮 北九州市立大学 大学院 環境工学専攻 | 器の森 -Utsuwa no Mori- | 作品 | 150 | |
準優秀賞 | 猪邉 将志 藤田社寺株式会社 | 廃屋緑化 | 作品 | 150 | |
準優秀賞 | 額賀 俊成 東京大学 大学院 工学系研究科 建築学専攻 | 動的平衡の暮らし | 作品 | 150 | |
奨励賞 | 小林 岳史 名古屋芸術大学 デザイン学部デザイン学科 スペースデザインコース | 木と生き、死ぬ建築 | 作品 | 100 | |
奨励賞 | 安田 諭史 神戸大学 大学院 工学研究科 建築学専攻 | 大地は広がり、建築は根を張る | 作品 | 100 | |
奨励賞 | 大和田 卓 東京大学 大学院 工学系研究科 建築学専攻 | 校器 プランテーション | 作品 | 共同制作者/ 吉野 わか子 (東京大学大学院工学系研究科建築学専攻) | 100 |
奨励賞 | 田中 和希 工学院大学 大学院 建築学専攻 | 朽築 ~侵略する植物と抗う建築物~ | 作品 | 共同制作者/ 棚橋 風太 (工学院大学大学院建築学専攻) | 100 |
合計10件 | 総額 2,200 |