佳作A
ここでもドア
鬼頭 朋宏
大成建設株式会社
関西支店 設計部
アニメから学んだのだが、扉というのは「こちらの世界」と「あちらの世界」を隔てる境界面を創る装置となり得る。ドラえもんの繰り出すアイテムで最も欲しいものは?という問いに対して、「どこでもドア」という回答はいつでも最多を占める。(これには私も同意である。)この結果は、現代人の欲望を如実に表しているといえる。そこで本案では、それらの欲望に対して「ここでもドア」を設計した。 「ここでもドア」は残念ながらどこでも行けるわけではない。しかし「ここでもドア」は【イマ・ココ】といった場所のもつ潜在性を最大限に引き出す都市の隠れ家として機能し、これまで気づかなかった魅力を再発見するための装置となる。「ここでもドア」が異なる環境を旅することにより、各々の場所性が顕在化される。「ここでもドア」いわば「マルチサイトスペシフィック」な状態を目指したインスタレーションである。
(平成27年度)第22回ユニオン造形デザイン賞
テーマ:「あなたの『どこでもドア』」
審査員:安田 幸一氏 審査講評
賞 | 受賞者氏名/所属機関 | 作品名 | 共同制作者 | 賞金 (単位:千円) | |
最優秀賞 | 佐野 勇太 メルボルン大学大学院 建築デザイン専攻 | 記憶形 ―15の記憶形に形作られる’ドア’― | 作品 | 500 | |
優秀賞 | 小林 良平 東京藝術大学 美術学部 建築科 教育研究助手 | 地球の反対側と暮らす | 作品 | 300 | |
優秀賞 | 齊藤 誠 フリーランス | 3mmの都市の奥行き | 作品 | 共同制作者/ 武田 慎平 (フリーランス) 田中 和沙 (フリーランス) | 300 |
佳作A | 鬼頭 朋宏 大成建設株式会社 関西支店 設計部 | ここでもドア | 作品 | 200 | |
佳作A | ニコラ 咲菜恵 Ecole Nationale Superieure d’Architecture de Paris La Villette(ENSAPLV) | 町の秘密なDOOR | 作品 | 200 | |
佳作B | 岡田 有祐 京都工芸繊維大学大学院 建築学専攻 | ドアのないドア | 作品 | 共同制作者/ 藤井 愛 (京都工芸繊維大学大学院 建築学専攻) | 100 |
佳作B | 山口 琢磨 フリーランス 建築専攻(SPAIN MADRID在住) | もしもドア | 作品 | 100 | |
佳作B | 齊藤 佑樹 日本大学大学院 理工学研究科 建築学専攻 | 思い出への液体ドア | 作品 | 100 | |
佳作B | 瀬藤 謙徳 近畿大学 工学部 建築学科 | ドアの実が落ちる | 作品 | 100 | |
佳作B | 大田 美奈子 関西大学大学院 理工学研究科 環境都市工学専攻 建築学分野 | 土着的トイレ。無感情で開くと、異空間。 | 作品 | 共同制作者/ 寺田 桃子 (関西大学大学院 理工学研究科環境都市工学専攻建築学分野) | 100 |
佳作C | 安東 美咲 熊本大学 工学部 建築学科3年 | MIND TELEPORTATION DOOR MUSEUM | 作品 | 共同制作者/ 菊池 健太郎 (熊本大学大学院社会文化科学研究科) 筒井 総一朗 (熊本大学大学院自然科学研究科建築学専攻) 江口 信 (熊本大学 工学部建築学科) | 50 |
佳作C | 池野 雄貴 東京理科大学 工学部 建築学科 | Bricolaging Door | 作品 | 共同制作者/ 丸山 航 (東京理科大学 工学部建築学科) | 50 |
佳作C | 井上 慧祐 芝浦工業大学大学院 理工学研究科 建設工学専攻 原田真宏研究室 | 大海原の小さな “潮溜まり” ―港の漁礁をつくる自然のドア― | 作品 | 50 | |
合計13件 | 総額 2,150 |