3等
Glass-Landfill
髙橋 洸太
株式会社竹中工務店
共同制作者/釜谷 潤
古さとは、自然のダイナミズムそのものであると考えた。
敷地である中央防波堤最終処分場は超大なスケールを持つがゆえに、地質、生態系、気候、文化といった膨大な情報が無関係に埋め込まれている。この多様な情報を建築により構造化することを試みる。
この場所において「古さ」の獲得に人間のエゴイズムは存在しない。この土地が本来持つ環境の微差とその作用を建築が助長し、様々な質の空間が多焦点的に生まれては消えていくのみである。
広大な埋立地の地形を転写した一枚のガラスを架ける。ゴミの分解により地形が沈みこみ、ガラスと地面の隙間は少しずつ大きくなっていく。ガラスの薄い部分では太陽光のもとに多くの植生が発生し、地盤の安定化が促進され、一方でガラスの厚い部分では外部よりも薄暗く、洞窟のような環境が生まれる。埋立完了という時間の特異点を記憶することで、ガラスの形状は古さと新しさをつなぐ手がかりとなる。
(令和2年度)第27回ユニオン造形デザイン賞
テーマ:「古さの戦略」
審査員:石上 純也氏 審査講評
賞 | 受賞者氏名/所属機関 | 作品名 | 共同制作者 | 賞金 (単位:千円) | |
1等 | 望月 シエナ 昭和女子大学 環境デザイン研究専攻 | 進化 〜成長する空間〜 | 作品 | 1,000 | |
2等 | 金丸 巧 フリーランス | お星さま、またいつか。 | 作品 | 300 | |
2等 | 坪内 健 北海道大学大学院工学院 博士後期課程 建築都市空間デザイン専攻 | 防潮堤と望町堤 | 作品 | 共同制作者/ 安間 理子 (北海道大学大学院工学院 修士課程) 林 泰佑 (北海道大学大学院工学院 修士課程) | 300 |
3等 | 坂下 航徳 北海道大学 工学部環境社会工学科 建築都市コース | 埋添う 〜歴史をつなぐ核燃料の終焉の地〜 | 作品 | 共同制作者/立花 恵大 (北海道大学工学部環境社会工学科建築都市コース) | 200 |
3等 | 髙橋 洸太 株式会社竹中工務店 | Glass-Landfill | 作品 | 共同制作者/釜谷 潤 フリーランス | 200 |
3等 | 佐野 雄基 名古屋市立大学院 芸術工学研究科 建築都市デザイン領域 | 砂丘の記憶 | 作品 | 200 | |
4等 | 小田切 駿 フリーランス / 建築家 | 初源的構築の方法 | 作品 | 共同制作者/ 髙橋 まり (Studio Mark Randel/ Architect) 瀧本 信幸 (佐々木睦朗構造計画研究所) | 150 |
4等 | 中川 雄斗 株式会社 伊藤暁建築設計事務所 | 廃墟と共に死ぬ −死の再構築− | 作品 | 150 | |
4等 | 坂本 みほ 前橋工科大学 工学部 建築学科 建築意匠 | ゴルフ場でねむる。-樹木型墓地への転用- | 作品 | 150 | |
4等 | 鮫島 卓臣 イェール大学建築大学院 建築学 | 国境、広場、あるいはポメリウム | 作品 | 150 | |
5等 | 福島 早瑛 熊本大学大学院 自然科学教育部 土木建築学専攻 建築学 | 荳崎?逕ア縺ェ蟒コ遽? (フジユウ ナ ケンチク) | 作品 | 共同制作者/譚 蕾 (熊本大学大学院 自然科学教育部 土木建築学専攻) | 50 |
5等 | 梅原 拓海 京都府立大学大学院 生命環境科学研究科 環境科学専攻 | 夢現の建築 | 作品 | 50 | |
5等 | 近藤 良平 University of Toronto Master of Landscape Architecture | 積層する街 | 作品 | 50 | |
5等 | 中島 悠輔 University of Melbourne Master of Landscape Architecture | 記憶が溜まる東京湾 | 作品 | 共同制作者/ 松村 真弥 (University of Melbourne, Master of Urban Planning) | 50 |
5等 | 篠原 健 日本大学大学院 理工学研究科 海洋建築工学専攻 | 見築人間 | 作品 | 共同制作者/ 勝部 秋高 (日本大学大学院・理工学研究科・海洋建築工学専攻) | 50 |
合計15件 | 総額 3,050 |