優秀賞
荒廃した地に敷居を建築する
杉山 翔太
信州大学 大学院 理工学研究科 建築学
戦後の物質主義にないがしろにされた文化や歴史・感覚。人新世と言われるほど地殻を覆いつくしたふるまいの結果、そのつけが災害や公害など様々な社会問題から荒廃した地となって、近所に彼らは立っている。これらは世界にできたばかりの環境であり、私たちはこの環境でのふるまいをまだ知らない。不気味で近寄ろうとは思わずとも、そこには様々な時間が、揺れた美しさが存在する。私はそれらを素直に受け取り、内省することで、次の時代へのふるまいを見出すことが可能だと考える。そこにいるヒト、イキモノやモノのふるまいから荒廃した地を気遣えるならば、新しいふるまいが起き上がり、共に生きていく覚悟を持つことができる。そこで、私はまず徹底的に地を知ることから始める。今あるふるまいが荒廃した地ではどう存在するかを想像し、その間合いを共有することで、この地でのふるまいを起こすことができるだろう。私は、荒廃した地にその敷居を建築する。
(令和3年度)第28回ユニオン造形デザイン賞
テーマ:「ふるまいの共振」
審査員:中村 拓志氏 審査講評
賞 | 受賞者氏名/所属機関 | 作品名 | 共同制作者 | 賞金 (単位:千円) | |
最優秀賞 | 香月 弥樹 九州大学芸術工学府 環境遺産コース | 都市裸裸裸実験 | 作品 | 共同制作者/ 沢田 直人 (九州大学芸術工学府環境遺産コース) 本多 琴美 (九州大学芸術工学府環境遺産コース) | 1,000 |
優秀賞 | 小竹 隼人 芝浦工業大学大学院 理工学研究科 | ミズタマリ | 作品 | 300 | |
優秀賞 | 永高 裕太 神奈川大学大学院 工学研究科 | 時層の根 100年後の表参道にて。ふるまいの蓄積と残響と共振 | 作品 | 共同制作者/ 酒井 優人 (神奈川大学大学院 工学研究科建築学専攻) | 300 |
優秀賞 | 鳥山 亜紗子 東京工業大学大学院 環境・社会理工学院 建築学系 | 雨のうけみち | 作品 | 共同制作者/ 井出 達也 (東京工業大学大学院 環境・社会理工学院 建築学系) 岩下 昂平 (東京工業大学大学院 環境・社会理工学院 建築学系) 尾花 日向我 (東京工業大学大学院 環境・社会理工学院 建築学系) | 300 |
優秀賞 | 杉山 翔太 信州大学大学院 理工学研究科 | 荒廃した地に敷居を建築する | 作品 | 300 | |
優秀賞 | 廣瀬 貴大 東京都立大学大学院 都市環境化学研究科 建築学域 | 窓を開ければ猫が鳴く | 作品 | 共同制作者/ 高田 典子 (東京都立大学大学院 都市環境化学研究科建築学域 歴史) 梅原 慎太郎 (東京都立大学大学院 都市環境化学研究科建築学域 歴史) | 300 |
佳作 | 佐野 雄基 名古屋市立大学院・ 芸術工学研究科 | 共振をはじめる家 | 作品 | 100 | |
佳作 | 谷本 優斗 神奈川大学大学院 工学研究科 | さはり【触り・障り】の家 -手間から生まれるふるまいの輪- | 作品 | 共同制作者/ 井口 翔太 (神奈川大学大学院 工学研究科 建築学専攻) 林 眞太朗 (神奈川大学大学院 工学研究科 建築学専攻) | 100 |
佳作 | 前村 真太郎 日本福祉大学 健康科学部 福祉工学科 | Ringing Garden | 作品 | 100 | |
佳作 | 伊藤 健 東京藝術大学 美術学部 建築専攻 | 12オルタナティブランゲージ | 作品 | 100 | |
奨励賞 | 蒋 江行 法政大学 デザイン工学研究科 | スローフードのかたち | 作品 | 30 | |
奨励賞 | 杉森 大起 竹中工務店 設計部 | 火防の神の杜(もり)の幸(こう) | 作品 | 30 | |
奨励賞 | 川島 史也 京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科 建築学専攻 | 境界から始まる建築-ふるまいが共振する建築と都市の更新方法の提案- | 作品 | 30 | |
奨励賞 | 菊池 凌平 東京工業大学 環境・社会理工学院 建築学系 | カーテン インフラ ストラクチャー | 作品 | 共同制作者/ 曽根 巽 (東京工業大学 環境・社会理工学院 建築学系) | 30 |
奨励賞 | 尾石 光 千葉大学大学院 園芸学研究科 環境園芸学専攻 | 大地の上で寝そべり瞑想する -視線を水平転換させた共同意識が作る涅槃の山- | 作品 | 共同制作者/ 廖 小羽 (千葉大学大学院 園芸学研究科 環境園芸学専攻) | 30 |
奨励賞 | 砂田 ひかる 椙山女学園大学 生活科学部生活環境デザイン学科 研究生 | 目に見えない呼応 -多動する家- | 作品 | 30 | |
合計16件 | 総額 3,080 |