優秀賞
曲がり木のかくれが
菊本 貴暁
慶應義塾大学 大学院 理工学研究科 開放環境科学
木がからだになじむ時、その建物、空間、空気に愛着がわくと思う。カラダになじむものは、やわらかかったり、まるかったり、あったかかったり、触れやすい物の様な気がする。それは、体そのものと同じなんじゃないかと思う。ここでは、都市における行き止りかつ、住宅に囲まれた敷地を対象として、曲り木で体を包み込む都市住宅を提案する。大きな木が少なくなった今、集成材が生まれて、湾曲させることができるようになった。この湾曲させた15cm角の集成材を組積造にする。2階の高さでは、壁から離れてのびていく木材が、2階のための梁になる。軸材のときとは違い、湾曲材は、滑らかに壁から分離していく。それは、ひとつながりの線の様に、また、帯のように見える。湾曲した空間は、緩やかな曲がる木目を作り上げ、触れやすさを与え、体を優しく包み込む。そのときに親しさを感じる、そんな都市における曲げ木と人の新しい生活をはじめるための住宅。
(平成20年度)第15回ユニオン造形デザイン賞
テーマ:「小さな木の家」
審査員:深澤 直人氏 審査講評
賞 | 受賞者氏名/所属機関 | 作品名 | 共同制作者 | 賞金 (単位:千円) | |
大賞 | 村井 勇介 千葉大学 大学院 建築学 | ちいさな木のイエのおおきなアツマリ | 作品 | 1,000 | |
優秀賞 | 菊本 貴暁 慶應義塾大学 大学院理工学研究科 開放環境科学 | 曲がり木のかくれが | 作品 | 300 | |
優秀賞 | 木下 領 フリー | 風景が寄り添う家 | 作品 | 共同制作者/ 輪湖 大元 (日本大学大学院理工学研究科建築学専攻) | 300 |
入選 | 石田 拓己 東京大学 大学院新領域創成科学研究科社会文化環境学 | 小さくて素敵な家物語 | 作品 | 共同制作者/ 伊藤 友隆 (東京大学大学院 新領域創成科学研究科 社会文化環境学専攻) | 150 |
入選 | 日野 晃太朗 広島大学 大学院 工学研究科社会環境システム | うえきばちハウス | 作品 | 共同制作者/ 渡邊 晴香 (広島大学大学院 工学研究科 社会環境システム専攻) | 150 |
入選 | 木村 友彦 明治大学 理工学研究科 建築学 | 小さな家の大きな木の屋根 | 作品 | 共同制作者/ 亀田 康全 (明治大学 理工学部建築学科) | 150 |
合計6件 | 総額 2,050 |