4等
初源的構築の方法
小田切 駿
フリーランス / 建築家
共同制作者/髙橋 まり・瀧本 信幸
本計画は、日本中部のK山採石場を敷地とし、古生代から続く大地の変遷、近代以降の人工的な掘削の歴史やコンクリート製造の技術などを構造の中に取り入れ、あらゆる時代に実現可能な初源的な空間の構築方法の提案である。
①ランドスケープ計画:現在の稜線上に採石場を一周する道を計画し、外側は緑化する。採掘が進行しても、山の外形が留められ、古代から残る地質の一部や、採掘の痕跡が残っていく。
②建築:採掘で出来た6mの段々の人工的な地形に無筋コンクリートのスラブをうち、その下を掘り進め、太陽の日差しや雨風を防ぐための初源的な建築を考えた。
現代の価値観から意図的に造形するのではなく、自然環境や人間の営為などの歴史が集積されてできた2020年現在の地形のかたちをそのまま建築化するこの方法によって、この場所がどう使われ、地形がどう変化するのかを、それぞれの時代、無数の未来の可能性に委ねていく。
(令和2年度)第27回ユニオン造形デザイン賞
テーマ:「古さの戦略」
審査員:石上 純也氏 審査講評
賞 | 受賞者氏名/所属機関 | 作品名 | 共同制作者 | 賞金 (単位:千円) | |
1等 | 望月 シエナ 昭和女子大学 環境デザイン研究専攻 | 進化 〜成長する空間〜 | 作品 | 1,000 | |
2等 | 金丸 巧 フリーランス | お星さま、またいつか。 | 作品 | 300 | |
2等 | 坪内 健 北海道大学大学院工学院 博士後期課程 建築都市空間デザイン専攻 | 防潮堤と望町堤 | 作品 | 共同制作者/ 安間 理子 (北海道大学大学院工学院 修士課程) 林 泰佑 (北海道大学大学院工学院 修士課程) | 300 |
3等 | 坂下 航徳 北海道大学 工学部環境社会工学科 建築都市コース | 埋添う 〜歴史をつなぐ核燃料の終焉の地〜 | 作品 | 共同制作者/立花 恵大 (北海道大学工学部環境社会工学科建築都市コース) | 200 |
3等 | 髙橋 洸太 株式会社竹中工務店 | Glass-Landfill | 作品 | 共同制作者/釜谷 潤 フリーランス | 200 |
3等 | 佐野 雄基 名古屋市立大学院 芸術工学研究科 建築都市デザイン領域 | 砂丘の記憶 | 作品 | 200 | |
4等 | 小田切 駿 フリーランス / 建築家 | 初源的構築の方法 | 作品 | 共同制作者/ 髙橋 まり (Studio Mark Randel/ Architect) 瀧本 信幸 (佐々木睦朗構造計画研究所) | 150 |
4等 | 中川 雄斗 株式会社 伊藤暁建築設計事務所 | 廃墟と共に死ぬ −死の再構築− | 作品 | 150 | |
4等 | 坂本 みほ 前橋工科大学 工学部 建築学科 建築意匠 | ゴルフ場でねむる。-樹木型墓地への転用- | 作品 | 150 | |
4等 | 鮫島 卓臣 イェール大学建築大学院 建築学 | 国境、広場、あるいはポメリウム | 作品 | 150 | |
5等 | 福島 早瑛 熊本大学大学院 自然科学教育部 土木建築学専攻 建築学 | 荳崎?逕ア縺ェ蟒コ遽? (フジユウ ナ ケンチク) | 作品 | 共同制作者/譚 蕾 (熊本大学大学院 自然科学教育部 土木建築学専攻) | 50 |
5等 | 梅原 拓海 京都府立大学大学院 生命環境科学研究科 環境科学専攻 | 夢現の建築 | 作品 | 50 | |
5等 | 近藤 良平 University of Toronto Master of Landscape Architecture | 積層する街 | 作品 | 50 | |
5等 | 中島 悠輔 University of Melbourne Master of Landscape Architecture | 記憶が溜まる東京湾 | 作品 | 共同制作者/ 松村 真弥 (University of Melbourne, Master of Urban Planning) | 50 |
5等 | 篠原 健 日本大学大学院 理工学研究科 海洋建築工学専攻 | 見築人間 | 作品 | 共同制作者/ 勝部 秋高 (日本大学大学院・理工学研究科・海洋建築工学専攻) | 50 |
合計15件 | 総額 3,050 |