優秀賞
収納しない家
青山 周平
東京大学 大学院 新領域創成科学研究科
共同制作者/雨宮 知彦・小林 国弘
この家には収納がない。
あるマンションの平面をどんどんと拡大してみる。しばらくは、部屋自体が大きくなることで外形線の拡がりに追随していくが、そのうち部屋は臨界の大きさに達してそれ以上はおおきくならない。かわりにどんどんとおおきくなっていくのは部屋と部屋との間の空間である。一辺が100mとかいう平面では、そのような空間がそのほとんどを占める。ちいさい家では、その空間にはぎっしりと、服や、本や、靴や、食器や、ひな人形や、クリスマスツリーがつめこまれていた。反対におおきい家では、何でもかんでもコンパクトに収納する必要がない。小説だってジャケットだって、あんなに合理的に背をつきあわせて収納せずに、少しずつ距離をおいて並べてみる。そんな余裕がおおきい家にはある。巨大なウォークイン・クローゼットのような空間に、隠されていたモノ達が散らばって、それらの重なりが新しい生活を生む。
あるマンションの平面をどんどんと拡大してみる。しばらくは、部屋自体が大きくなることで外形線の拡がりに追随していくが、そのうち部屋は臨界の大きさに達してそれ以上はおおきくならない。かわりにどんどんとおおきくなっていくのは部屋と部屋との間の空間である。一辺が100mとかいう平面では、そのような空間がそのほとんどを占める。ちいさい家では、その空間にはぎっしりと、服や、本や、靴や、食器や、ひな人形や、クリスマスツリーがつめこまれていた。反対におおきい家では、何でもかんでもコンパクトに収納する必要がない。小説だってジャケットだって、あんなに合理的に背をつきあわせて収納せずに、少しずつ距離をおいて並べてみる。そんな余裕がおおきい家にはある。巨大なウォークイン・クローゼットのような空間に、隠されていたモノ達が散らばって、それらの重なりが新しい生活を生む。
(平成15年度)第10回ユニオン造形デザイン賞
テーマ:「おおきい家」
審査員:小嶋 一浩氏
賞 | 受賞者氏名/所属機関 | 作品名 | 共同制作者 | 賞金 (単位:千円) | |
最優秀賞 | 周防 貴之 慶應義塾大学 理工学部 システムデザイン工学科 | ろうかがつくるおおきな家 | 作品 | 600 | |
優秀賞 | 藤森 雅彦 広島工業大学 環境デザイン学科 | RINKAKU(りんかく) | 作品 | 共同研究者/ 谷尾 尚隆(広島工業大学 環境デザイン学科) | 400 |
優秀賞 | 張替 那麻 東京理科大学 大学院 理工学部 | 上に大きな家-森の彫刻 | 作品 | 400 | |
優秀賞 | 青山 周平 東京大学 大学院 新領域創成科学研究科 | 収納しない家 | 作品 | 共同研究者/ 雨宮 知彦 (東京大学大学院 新領域創成科学研究科環境学専攻) 小林 国弘 (東京大学大学院 新領域創成科学研究科環境学専攻) | 400 |
佳作 | 高工 芳伴 東京デザイン専門学校 建築デザイン科 | 入れない家 | 作品 | 50 | |
佳作 | 野田 真紅 東京芸術大学 大学院 美術研究科 | huge, obscure, mother, nothingness | 作品 | 共同研究者/ 福田 裕里 (フリーランス) | 50 |
佳作 | 古沢 裕子 東京都立大学 工学研究科建築学 | 境界の見えない家 | 作品 | 50 | |
佳作 | 南 俊允 東京理科大学 理工学部建築学科 | おおきいということ | 作品 | 50 | |
奨励作品 | 鈴木 清美 愛知県立芸術大学 大学院 | MIST HOUSE/霧の家 | 作品 | 図書券 | |
奨励作品 | 岡 ゆり子 建築工房K | Replaceable House | 作品 | 図書券 | |
奨励作品 | 川上 恭輔 日本大学 大学院 理工学研究科 | primitive house | 作品 | 共同研究者/ 吉川 美鈴(日本大学理工学部建築学科) | 図書券 |
奨励作品 | 小杉 嘉文 早稲田大学 理工学部建築学科 | 次の間の家 | 作品 | 共同研究者/ 岡田 朋子(早稲田大学理工学部建築学科) | 図書券 |
奨励作品 | 小川 泰輝 九州芸術工科大学 芸術工学部 環境設計学科 | 大きい家 | 作品 | 図書券 | |
合計13件 | 総額 2,000 |